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教員の出版物(総合文化政策学部)

青山学院大学総合文化政策学部の教員たちは、それぞれの専門分野において、研究成果を日本語・英語で国内外に発表しています。このページでは、総合文化政策学部の教員たちが書籍のかたちで編集または著述した出版物について、直近のものあるいは各教員の代表的なものに限りますが、紹介しています。

興味のある出版物がありましたら、ぜひ書店や図書館で手に取ってください。Linkから出版社および書店のページにジャンプすることもできます。

2026

近代君主制の思想史——共和・国体・天皇

森島豊
【Book Chapter】In: 住友陽文・林尚之編,大阪公立大学出版会, 2026, ISBN: 978-4911646052

この国では、「行き過ぎた個人主義」を毛嫌いしつつ、「国のために血を流す覚悟が国民には必要だ」という主張が「正論」であるかのように表明されることがある。個人主義をないがしろにしたまま国を守る義務を国民個人に押しつけようとする態度は、近代初発からこの国にあった「伝統」ではないか。西洋の共和国では、個人の権利の上に国家をつくったため個人にも国を守る義務が自覚された。日本はそういう共和国の伝統がないまま近代に突入した。では、国家と国民一人ひとりとはバラバラでよかったか。天皇制がなぜ、近代日本に必要であったのか。そのヒントがこのあたりにあるのではないか。本書は、近代天皇制を手がかりに、近代にとっての君主制とは何か、君主制には近代のために何が期待されていたのかを考える。統治権、主権、憲法、国体、人権、民主政、法思想、イデオロギー、文学などの諸問題を通して、近代の君主制とは何か、その意味するところを洞察する。

https://www.omup.jp/publication/publication_contents.php?id=328

カナダ文化事典

飯笹佐代子・宮澤淳一・中野昌宏
【編集・項目執筆】In: カナダ文化事典編集委員会編,丸善, 2026, ISBN: 978-4621312704

全土が日本最北端よりもさらに北に位置し、世界で第二位の面積を誇る「北国」カナダ。多文化主義で知られるこの国は、しかし単なる「多文化主義」ではない。「二言語・多文化主義」――英語とフランス語という二つの言語をそれぞれ母語とする人々の対立を当初からはらみ、先住民に対する不正義という暴力を建国の根底に抱えながらも、移民を含めてこの地に暮らすすべての人々と共存しようと意識的に歩みを進めてきた国である。すなわち、文化こそが国を形づくる政策でもあったカナダの人々の営みを、10の分野に分け、200を超えるテーマから解説する――多文化主義を憲法に定めるカナダの「今」に至る人々の営みを知る事典。

https://www.maruzen-publishing.co.jp/book/b10153244.html

ソーシャルメディアの倫理的デザイン

河島茂生
【Edited Book】岩波書店, 2026, ISBN: 978-4000617635

急速な普及により、いまや社会のインフラとなったソーシャルメディア。だが中傷・炎上・フェイクニュースなどの問題も深刻化している。規制や制限に留まることなく、利用することで我々の生活と社会をより良く変えていくメディアへと再生するために求められる指針=〈倫理〉のあり方とは。気鋭の研究者による共同研究。

https://www.iwanami.co.jp/book/b10166249.html

責任ある人工知能ロボット: 倫理・法・社会的観点から考える未来

河島茂生・河井大介
【Book Chapter】In: 高橋利枝 編, コロナ社, 2026, ISBN: 978-4339034059

人工知能(AI)やロボットは、私たちの生活や社会を大きく変えつつあります。その一方で、プライバシー侵害、差別や偏見の再生産、責任の所在の不明確化など、新たな倫理的・法的・社会的課題も生じています。本書のタイトルに掲げた「責任ある人工知能ロボット(Responsible AI Robotics)」とは、AIロボットそのものに責任能力を帰属させることではなく、人間がその開発・運用・利用に責任を持ち、社会実装を適切に方向づけるべきであるという立場を示しています。本書は、「ヒューマン・ファースト・イノベーション」を理論的・実践的視座として提示し、AIと人間の関係をめぐる倫理・法・社会的課題を総合的に探究します。

https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339034059/

2025

詳解 ラカン『サントーム』 ジョイス・結び目・精神病

福田大輔
【Book】In: 原和之・荒谷大輔・福田大輔・今関裕著, 福村出版, 2025, ISBN: 978-4571241321

生政治の裏面 享楽のためのエクリチュール

福田大輔【翻訳】
【Book】せりか書房, 2025, ISBN: 978-4796704038

フランスにおける現代精神分析の最重要著作のひとつの邦訳。精神分析臨床のみならず、政治、文化、芸術についての考察が展開されている。

日本の教育政策とキリスト教学校ーー愛国教育と人格教育の攻防

森島豊
【Edited Book】In: 森島豊・伊藤悟編,教文館, 2025, ISBN: 978-4764261853

現代教育に潜む「国体思想」にいかに抗うか?

「教育勅語」から「道徳の教科化」まで、戦前戦後を通じて国家の介入を受けてきた日本の教育。
さまざまな形態の国家主義を退け、キリスト教に基づく教育の自由と価値をいかに確立するかを論じる。

https://www.kyobunkwan.co.jp/publishing/archives/20902

ポップカルチャーによる地域創生のマーケティング

川又啓子・マイケル・クシェル
【Book】In: 川又啓子・田嶋規雄・三浦俊彦編著,千倉書房, 2025, ISBN: 978- 4805113332

本書では、アニメ、マンガ、ゲーム、eスポーツ、キャラクターなどのジャパニーズ・ポップカルチャー(JPC)を活用した地域創生について、マーケティング研究の立場から考察しています。近年、各地でポップカルチャーを活用した地域振興が進められていますが、その成果は必ずしも持続的とは限りません。本書では、地域ブランド形成、正当化戦略、組織づくりといった視点から、なぜ成功する地域とそうでない地域が生まれるのかを検討しました。足利市、新潟市、大須商店街、岐阜県、熊本県などの事例に加え、熊本地震や能登半島地震からの復興過程も取り上げ、ポップカルチャーが地域社会に果たす役割を分析しています。

https://www.chikura.co.jp/category/select/pid/1181

観客が生み出すアートマーケティング〜芸術祭と地域をコミュニケーションでつなぐ

佐野直哉
【Book】水曜社, 2025, ISBN: 978-4880655789

“思想なきマーケティング” が跋扈するアートプロジェクトや地域型芸術祭に一石を投じる。

SNSなどソーシャルメディアを中心としたコミュニケーション・デザインに着目する。
ソーシャルメディア(SNS)は、芸術祭や美術館などのマーケティングに欠かせない。しかし地域型芸術祭が「地域活性化」という言葉をまとい経済的効果を求められる現状にあって、無自覚にSNSを濫用するマーケティングは、かかわる人びとが注力してつくりあげる地域密着型の芸術祭に誤解を生じさせかねない。
マーケティングも「地域活性化」「地域再生」の言葉の意味を十分に理解と検証した上での戦略と施策であるべきだ。“思想なきマーケティング” が跋扈するアートプロジェクトや地域型芸術祭に一石を投じる意欲作。

[本書で取り上げる芸術祭]
奥能登国際芸術祭/茨城県北芸術祭/さいたまトリエンナーレ/UNMANNED無人駅の芸術祭〈大井川〉

https://suiyosha.hondana.jp/book/b658812.html

2024

モビリティーズの社会学

飯笹佐代子
【Edited Book】In: 吉原直樹・飯笹佐代子・山岡健二郎編,有斐閣, 2024, ISBN: 978-4641174986

いま最も注目される概念である「モビリティーズ」の理論的な論点を整理し,各地域のモバイルな諸相を具体的に論じる注目の書。移動する人びとや国境,境界,非西洋社会の側から現代社会の流動性をとらえ,グローバリゼーションを問い直す,知的ダイナミズム溢れる本。

https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174986

移動と境界ー越境者からみるオーストラリア

飯笹佐代子
【Edited Book】In: 飯笹佐代子・鎌田真弓編著,昭和堂, 2024, ISBN: 978- 4812223055

グローバルな人の移動が常態化したかにみえた近年、新型コロナのパンデミックによる移動規制はあらためて「国境」はじめ様々な「境界」の存在感を私たちに知らしめることとなった。しかし言うまでもなく、これまでも移動を試みる人びとは種々の「境界」に対峙し、それらを規定する諸政策に翻弄されることが少なくなかった。入国希望者を冷徹に選別する「国境」を越えることができたとしても、滞在資格に関する法的な「境界」が立ち現れる。さらには、文化的な見えない「境界」にも遭遇するかもしれない。
 国境を越えることとは、果たしてどのような経験なのか。本書は、オーストラリアを主な舞台に、越境を試みた人びと(企業家・出稼ぎ、兵士、海民、芸人一座、結婚移住者、ワーホリ渡航者、難民など)の経験を、歴史を遡りつつ、文学や演劇、映像などの作品にも光を当てながら描き出す。

http://www.showado-kyoto.jp/book/b639410.html

2023

言葉にとらわれた身体:現代ラカン派精神分析事例集

福田大輔
【Translation】誠信書房, 2023, ISBN: 978-4414414936

現代ラカン派の精神分析臨床の実像を伝える臨床事例集。翻訳作業時に福田ゼミで翻訳原稿を検討したこともあり、学部生でも読みこなせるように巻末に解説を加えてある。

https://www.seishinshobo.co.jp/book/b10038505.html

eスポーツ社会論

川又啓子
【Book】In: 川又啓子編著; 菊地映輝・權純鎬・北條大和著,同友館, 2023, ISBN: 9784496056666

本書では、急速に発展するeスポーツを単なる競技や産業としてではなく、社会との関わりの中で捉え直しています。ビジネス、メディア、テクノロジー、国際市場といった産業的側面に加え、学校教育、地域活性化、福祉・医療分野での活用にも注目しました。韓国の事例や国内の先進的な実践を取り上げながら、ゲームやeスポーツが社会的な価値をどのように創出しているのかを分析しています。eスポーツの「いま」と「これから」を社会的視点から考察した一冊です。

https://www.doyukan.co.jp/store/item_056666.html

革命と住宅

本田晃子
【Book】ゲンロン, 2023, ISBN: 978-4907188511

社会主義国であるソ連では、基本的には住宅を個人で所有することはできませんでした。住宅は公的機関によって建設され分配されるものであり、そこにはそれぞれの時期の指導者の方針が反映されました。家族を解体し集団生活することを念頭に設計された1920年代の共同住宅から、スターリン期の豪奢なエリート向け住宅、そしてフルシチョフによる団地の大量建設……本書前半では、このように極端から極端へと移り変わったソ連の住宅と、その背後にあった共同体観を論じます。
ソ連時代には、無数のアンビルト建築が生まれました。ロシア・アヴァンギャルドの理念先行型の建築モデルから、スターリン時代最大の建設プロジェクトでありながら未完に終わったソヴィエト宮殿、そしてソ連末期に建設を目的とせずに描かれたペーパー・アーキテクチャー作品……後半ではこれらのアンビルト建築を取り上げ、イメージとしての建築が持ちうる意味を論じます。

https://webgenron.com/articles/kakumei

2022

知的財産で社会を変える

川又啓子・竹内孝宏・福田大輔・ヴィニットポン・ルジラット
【Book】In: 青山学院大学知財と社会問題研究所編,同友館, 2022, ISBN: 978- 4496056352

本書では、知的財産(IP)を単なる法制度や権利保護の対象としてではなく、社会課題の解決に活用できる資源として捉えています。ゲームやキャラクターなどのコンテンツを対象に、ゲーム実況の職業化、多文化共生の促進、ユニバーサルeスポーツの実践、地域振興などの事例を分析しました。また、ジェンダーやゲーム障害といった現代的課題についても取り上げています。知的財産と社会問題との接点を探りながら、コンテンツが持つ新たな社会的価値と可能性を考察した一冊です。

https://www.doyukan.co.jp/store/item_056352.html

ジャパニーズ・ポップカルチャーのマーケティング戦略

川又啓子・ヴィニットポン・ルジラット
【Book】In: 川又啓子・三浦俊彦・田嶋規雄編著, 千倉書房, 2022, ISBN: 978-4805112540

本書では、マンガ、アニメ、コスプレなどのジャパニーズ・ポップカルチャー(JPC)を対象に、その創造・消費・普及の仕組みをマーケティング研究の視点から考察しています。作品創造、参加型創作文化、コスプレ、消費者行動といった文化的現象だけでなく、海外展開、イベント、観光・インバウンドとの関係も分析しました。また、JPCが社会的な正当性を獲得しながら発展してきたプロセスにも注目しています。本書は、ポップカルチャーを単なる娯楽としてではなく、社会や地域、産業と結びつく文化資源として捉え、その可能性を探ったものです。

https://www.chikura.co.jp/category/select/pid/1119

都市を上映せよ ソ連映画が築いたスターリニズムの建築空間

本田晃子
【Book】東京大学出版会, 2022, ISBN: 978-4130611435

映画はソ連体制の主要なプロパガンダ装置でしたが、建築にとっても重要なメディアでした。本来建築は、建設されたその場所から動くことのできません。しかし映画に撮影されれば、ソ連中、さらには世界中を流通することが可能になるからです。実際、スターリン時代の建築や都市は――実際には建設されなかったものも含め――しばしば映画の背景となりました。
その一方で、巨大な影響力を持つマスメディアである映画の表現は、検閲によって厳しく統制されもしました。したがってこの時期しばしば映画の中に描かれたソ連の首都モスクワや博覧会会場、地下鉄駅などの建築空間は、現実の都市・建築というよりも、それらとスターリニズムの理想や欲望とが混淆したイメージだったのです。本書では具体的な映画作品を取り上げ、都市や建築のイメージがどのような意図のもとにどのように操作されたのかを論じます。

https://www.utp.or.jp/book/b594664.html

2021

筋肉のメランコリー ―ラカンとともに読む三島由紀夫

福田大輔
【Book】晃洋書房, 2021, ISBN: 978-4771035287

https://www.koyoshobo.co.jp/book/b590149.html

三島由紀夫小百科

福田大輔
【Edited Book】In: 井上隆史・久保田裕子・田尻芳樹・福田大輔・山中剛史編, 水声社, 2021, ISBN: 978-4801006010

2020年代までの日本の三島研究の総体を読むことができる書籍。

http://www.suiseisha.net/blog/?p=15472

2020

抵抗権と人権の思想史——欧米型と天皇型の攻防

森島豊
【Book】教文館, 2020, ISBN: 978-4764274419

なぜ日本に人権思想は根付かないのか?

欧米と日本の人権理解の相違点はどこにあるのか? 日本国憲法第97条に謳われる「基本的人権」のルーツと受容の歴史を辿り、日本人が「人権思想」を理解できない問題点を浮き彫りにする。

「人権は、どのような土壌で生まれ、どんな戦いを成分として成長してきたのか? なぜキリスト教が関係し、日本国憲法にも影響しているのか? にもかかわらず、どうして歴史に反動的な社会勢力が成長するのか? こうした疑問を少しずつ解きほぐしながら、人権法制化へと向かわせたエネルギーを明らかにし、『人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』へと至った物語に案内したい。そうすることによって、キリスト教国ではない日本で、今後どのようにして人権の発展が可能となるか、その新しい道を発見することができるだろう」(本文より)

https://www.kyobunkwan.co.jp/publishing/archives/19483

分離派建築会──日本のモダニズム建築誕生

天内大樹
【Book Chapter】In: 田路貴浩 編, 京都大学学術出版会, 2020, ISBN: 978-4814002955

1920年に結成した日本の建築運動「分離派建築会」の百年記念研究会の成果.2023年日本建築学会賞(業績)「分離派建築会の活動を多面的に解明した調査・研究・展覧会」(分離派 100 年研究会,パナソニック汐留美術館,京都国立近代美術館)の一部.

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784814002955

2016

混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界

福田大輔
【Edited Book】In: 井上隆史・久保田裕子・田尻芳樹・福田大輔・山中剛史編, 水声社, 2016, ISBN: 978-4801002012

http://www.suiseisha.net/blog/?p=6370

2015

21世紀の三島由紀夫

福田大輔
【Book Chapter】In: 有元伸子+久保田裕子編, 翰林書房, 2015, ISBN: 978-4877373917

2014

天体建築論 レオニドフとソ連邦の紙上建築時代

本田晃子
【Book】東京大学出版会, 2014, ISBN: 978-4130668545

1920年代後半のソ連建築界に突如登場し、構成主義建築の星と呼ばれた建築家、イワン・レオニドフ。
彼は黒地の背景に繊細な白い線でもって、幾何学的で宇宙的な建築イメージを描きました。しかし1930年代に入ると、彼の抽象的なデザインは批判の対象となり、その名はあっという間にソ連建築界から消えていきます。結局彼は、一度として自分の設計した建築物を実現する機会を持ちませんでした。にもかかわらず、彼の作品は現在も世界の建築家にインスピレーションを与え続けています。
本書ではそのような彼の作品を、革命という出来事を建築という形式を通して具現化しようとした試みとして読み解きます。他方、レオニドフを批判したスターリニズムの建築プロジェクトも、重要度が高いものほど実現されませんでした。本書では、なぜスターリン期のソ連の建設プロジェクトの多くがこのように「紙の上の建築」に終わる傾向にあったのかについても、考えていきます。

https://www.utp.or.jp/book/b306656.html

2012

精神分析の名著 フロイトから土居健郎まで

福田大輔
【Book Chapter】In: 立木康介編著, 中央公論社, 2012, ISBN: 978-4121021663